クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!

ウォンバット的評価

 

【ストーリー】

リメイクなので、当然ながらストーリーは初代PS版の3部作と全く一緒。

1:捕らわれた恋人の救出、2:コルテックスに利用されてのパワーストーン探し、3:時空を超えた世界一周旅行

・・・と、それぞれに特徴的で飽きさせない展開が、冒険気分をさらに盛り上げてくれる。

旧作をプレイ済みの人には非常に懐かしく、シリーズの原点を“おさらい”する感覚で楽しめる。

クラッシュのストーリーは元々そんなに難しいもんじゃないけど、1→2→3と見事に話が繋がっていたり、

分かりやすいストーリーの中にも随所にこだわりがあって、改めて感心してしまう。

オープニングやエンディングムービー、ステージの合間に入るキャラの発言シーンなども、

驚くほど綺麗に生まれ変わっていて、見ているだけで本当に楽しい。まるでディ○ニー映画でも見ているかのようだ!?

20年経つと、ここまで進化するんだなぁ〜。(しみじみ)

 

【キャラクター】

おなじみの超個性的なキャラたちが、最新のグラフィックでさらに魅力的に生まれ変わった。

『タイタンズ』以降はキャラデザインが有り得ない変わり方をしてしまい、さすがの自分も失望してしまったが、

今回のリメイクでは初期シリーズに忠実なデザインになっており、とても親しみやすい。

アクウカ兄弟は元の顔に戻ったし、タイニーもおバカで「ガオー!!」な本来のキャラに戻ったので一安心。

さらにココやコルテックスらの服装も(今までちょこちょこ変更されて来たけど)初期のものに直され、

何から何まで全てが原点に返った感じ。これぞ、クラッシュファンが求めていた理想の進化形というものだろう。

旧3部作に出ていたキャラは(おなじみ出っ歯で太眉のアイツまで!)当然全て登場しているので、

大好きだったあんなキャラやこんなキャラが、どのように生まれ変わったか、ぜひとも自分の目で確かめて頂きたい。

そして今作は、ココファン歓喜!ゲームを進めると、なんと『1』〜『3』のほとんどのステージで、

ココをクラッシュ同様に操作キャラとして使うことが出来るのだ!(一部乗り物ステージやボスステージを除く)

もう、タイトルを『ココ・バンディクー』にしても通用するほどの素晴らしい活躍ぶりを見せてくれる。

『1』と『2』でもココが操作キャラになることに関しては、『3』のココがタイム・ネジネジマシーンをハッキングして、

クラッシュの過去の冒険を手助けしに来ている・・・という細かい設定まであるらしく、めちゃめちゃ感心。

これなら、『2』の(ホログラムで現れる)ココとは別に、操作キャラとしてもココが出てくることにも納得がいく。

ダイヤ獲得時や、操作していない時ですら、クラッシュ・ココそれぞれが豊富な反応を見せてくれるし、

おなじみボスキャラたちにも、倒した後に思わず笑っちゃうようなナイス演出が追加されて、さらに個性がアップ!

キャラに関して1つ残念な点を挙げると、旧作ではアクアクがヒントをくれたのが日本版のみだった関係で、

今回のアクアクは日本のクラッシュファンから見ると、なんだか無口なキャラと化してしまっていること。

その代わり、ロード画面中にちょっとしたヒントが表示されるので、一応攻略の手助けはしてくれてるのが救い。

ただ、このヒントがお世辞にも「アクアクが与えてくれているもの」とは言い難く、非常に機械的な文章。

せめて「〜ぞよ」とか「〜じゃ!」とか、アクアクが喋ってる風の書き方にしてくれたら、雰囲気出たんだけどなぁ。

 

【音楽】

旧3部作の曲はどれも印象に残る名曲揃いだったが、リメイクによってさらに豪華にパワーアップして帰ってきた。

どの曲も基本は原曲に忠実にアレンジされているが、中にはかなり雰囲気の変わっている曲もある。

どちらが好みかは人によるけど、こうした本家との違いを楽しめるのもリメイク版ならではの醍醐味だろう。

改めて聴いても、本当に素晴らしい曲ばかり。3作全ての曲がコレ1本で堪能できるんだから、なんと贅沢なことか・・・

ただし、『1』を中心に一部のステージ(後半のボス戦等)で流れる曲は、昔とは全く別の曲が使われている。

これは、旧作ではワケあって一部のステージに「日本版のみに用意された曲」が使われていたため。

海外のクラッシュファンからすればこれで普通だと思うが、日本のクラッシュファンにとっては、少し違和感があるかも。

同じように、『2』や『3』のタイトル画面で流れていたテーマソング「クラッシュ万事休す」も、今回はナシ。

この辺り、正直ちょっと残念だが、当時は差し替えられた本来の曲を聴けると考えれば、ある意味お得な気分ではある。

 

【システム】

元々神がかっていたゲームシステムに、さらなる改良が加えられており、遊びやすさも保証付き。

特に注目すべきは1作目。ステージ内の全ての箱を壊してパーフェクトダイヤを狙う際、

昔はノーミスでクリアしなければならなかった(途中で死ぬと壊した箱が全て復活してしまった)が、

今作では『2』や『3』と同じ、「C箱を壊した場所までの箱の数をカウントする」親切システムが適用されており、

難しいことで有名だった『1』の難易度が、全体的に見ると結構低くなっている。

・・・とは言え、『1』ではカラーダイヤだけは旧作同様ノーミスで全部の箱を壊さなければならなかったり、

ボーナスチャレンジの箱も壊さなければパーフェクトを狙えなくなった(ここは昔と逆になっている)ため、

極端に難易度が下がったワケでもなく、それなりの手ごたえも残した、程々な難易度調整が行われたと言える。

ただ、やはりカラーダイヤに関しては白ダイヤ同様、初心者にも優しい条件で統一してほしかったところ。

ちなみに、旧作とは一部ステージの順番が入れ替わっていたり、より長く難しくなっているステージもあるが、

これは日本版の旧作が海外版よりも遊びやすく(当時のスタッフの努力により)改良されていたため。

逆に言えば、日本のクラッシュファンには今回初めて(?)本場の難易度を体験できる機会が巡ってきたワケだが。

“完全再現”のリマスターとは言っても、やはり微妙な操作感の違いに苦しめられる場面も多々ある。

特に、クラッシュのジャンプ力が微妙に下がっているのか、落下によるミスをしやすくなったのは結構辛い。

その他、敵の攻撃の当たり判定が厳しい、ニトロ箱が高く跳ねるようになって異常に避け辛い、

一部乗り物の操作性の悪化等が原因で、昔は何てことなかったステージに思わぬ苦戦を強いられることも。

こういう細かい不満点も徹底的に見直せば、さらに完璧な出来に仕上がっていただろうが、まぁ仕方ないかな?

 

【やり込み度】

1本だけでも大満足の内容だった3部作がセットになっているのだから、そのボリューム感は言うまでもない。

気軽にステージを進んで行き、コルテックスを倒すまでの通常クリアだけでも十分楽しめるが、

ダイヤやトロフィー(今作ではレリックと呼ばれる)も全て集めて完全クリアを目指すなら、楽しさは何倍にも増す。

しかも、今回のリメイクにより『1』と『2』でもタイムアタックが出来るようになったのは、やり込み派には嬉しすぎる追加要素。

3作全てでプラチナランク獲得(さらに自分の限界に挑戦)ともなれば、総プレイ時間はどれほどになるか・・・

もちろん、元々タイムアタックが無かった『1』と『2』では、ダイヤコンプリートで真のエンディングは見られるので心配ない。

オンラインで他のプレイヤーと記録を競える機能まで付いているので、単なる自己満足に留まらず、遊び甲斐も増している。

また、新たなやり込み要素として、PS4の実績機能である「トロフィー」を集める楽しみも加わった。

入手条件は「ボスを倒す」「ミスをする」等の簡単なものから、「全部のレリックを獲得」といった難しいものまで、実に様々。

タイムアタック共々、やり込み派の欲求を満たしてくれること請け合いな新チャレンジが満載されている。

セーブデータがそれぞれ4つずつ作れる(その内1つはオートセーブスロットとなっている)のも、何気に嬉しい。

一度完全クリアを果たしても、また気軽に最初から始められるため、クラッシュ好きなら何周でも遊び直したくなることだろう。

 

【声優】

今作の日本版発売が決まった後、個人的に最も気になっていたのが「キャスティング」に関してだった。

何しろ、旧3部作の声優陣は、あまりにも豪華すぎる顔ぶれで・・・

当時のキャスティングのまま再収録するとは到底思えなかったし、そもそも吹き替え自体されない恐れもあった。

リメイクだから昔の音源を流用できるか?と思いきや、英語版はリメイク用に新しく録り直しているようだし、

キャラの口の動きと合わなかったりの問題で、さすがにそれは無理そうかなぁ・・・と。

声優が総入れ替えになったとしても、キャラのイメージ通りの新ボイスなら、それなりに受け入れる覚悟は出来ていたが、

まさか、まさかの「SCE時代とほとんど同じキャスティング」が実現するなんてえええぇぇぇ!!!

うぅ〜っ(泣)・・・夢じゃないかなぁ?今の時代に、再び飯塚昭三さんのコルテックスが、池澤春菜さんのココが、

緒方賢一さんのアクアクが、大友龍三郎さんのウカウカが、小形満さんのブリオが(エヌ・ジンじゃないよ!)、

池田勝さんのエヌ・トロピーが、立木文彦さんのタイニーが、石田圭祐さんのディンゴダイルが見られるなんてぇぇぇ!

残念ながらエヌ・ジンだけは変更されてしまったようだが、事情により止むを得ない変更らしいので、

こればかりは仕方ないだろう。(ここまで当時を再現しているのだから、出来るもんなら全員揃えたかったに違いない?)

しかしながら、主人公のクラッシュは・・・『がっちゃんこ』の時と同様、山口勝平さんの吹き替えはナシ!

唯一『3』のサブタイトル「ブッとび!世界一周」だけ山口さんらしき声で喋ってるけど、これだけってのはあまりに寂しい!

まぁ、クラッシュは原語版を流用できちゃうような、ちょっとした「掛け声」しか発しないキャラではあるけれど、

せっかくの傑作リマスター・・・出来れば山口さん演じる、あのやんちゃボイスのクラッシュと一緒に冒険したかった。

(ちなみにクラッシュ以外のキャラも、「掛け声」的なセリフの多くは原語版がそのまま使われていたりする)

そんなワケで、今回のキャスティングには本当に久々に感動したし、よくぞここまで実現してくれた!と思うけど、

クラッシュだけはどぉぉぉしても心残りだったので(贅沢言ってゴメンナサイ)、その分を引いて4.5点とさせていただく。

 

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